« 2013年10月13日 - 2013年10月19日 | トップページ | 2013年10月27日 - 2013年11月2日 »

2013年10月25日 (金)

アキノエノコログサ(気になるエノコログサ属の盛衰)

Photo

アキノエノコログサの花穂が目立つ。
クローズアップレンズで覗いて見ると、花穂の禾(のぎ)が輝いて息を飲むほど美しい。
かしこまってエノコログサと呼ぶよりは、幼い頃から呼び習わした「猫じゃらし」の方が親しみを感じる身近な雑草で、可愛い花穂に惹かれて、通り掛かりに摘み採って帰り、一輪挿しに投げ入れて楽しんだ方も多いのではないだろうか。悪童の頃に、ちょっと気になる女の子の後ろから忍び寄り、うなじ辺りをコチョコチョとくすぐって、悲鳴を挙げさせた甘酸っぱい思い出もある。 
このエノコログサ属には色々な品種がある。花穂を真っ直ぐに立てるのが普通のエノコログサで、花穂が紫色のムラサキエノコログサ、夕日を浴びると禾(のぎ)が黄金色に輝くキンエノコログサ、これらより一回り大きくて長い花穂が垂れるアキノエノコログサである。これらは田畑やその周辺、都会の空き地などに平和に棲み分けているかに見えたが、20~30年前から一寸した異変が生じた。東南アジアの出自で、史前帰化植物として我が国に定住したと言われているアキノエノコログサが均衡を破って徐々に勢力を拡大し始めたのである。
エノコログサの衰退とアキノエノコログサの勢力拡大を最初に気付かれたのは、長い間大本教花明山植物園長をつとめられた津軽俊介氏ではないかと思う。当時、文献を拝見して、京都の植物界の権威の目が、こんなありふれた雑草にまで注がれていることに感激したことを思い出す。 
アキノエノコログサは地球規模の温暖化に後押しされて、見る見るうちに勢力を拡大し、今やエノコログサ属の中で一党支配体制を築きつつあるように思える。
最近の新聞紙上で「ことごとに勝たせ過ぎたと反省し」と言う川柳を見付けて、我が意を得た思いがしたが、人間の世界であれ、植物の世界であれ、一党支配は好ましくはない。
   
  草いろいろおのおの花の手柄かな  芭蕉
そんな世界であって欲しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月22日 (火)

ホソバヒメミソハギ(細身の美女が田の害草)

Photo

はじめて、アメリカ原産のこの草に出会ったときには、「さすがにミソハギ科だけあって、細身で姿が良く、4弁花が可愛いので、定住して田の畔を賑わしてくれることだろう」なんて、甘い期待を抱いて観察してきたが、とんでもない。昨今の異常高温に後押しされたこともあるだろうが、ひょろひょろと細っぽい外観からは想像もできないほど強烈な繁殖力を発揮して、「あれよ、あれよ」と言っている間に西日本一円を席巻して関東に進出し、国立環境研究所などが、稲作と競合する強害雑草として、駆除方法を研究する事態に至ったと言う。
茎の径は5mm内外だが、背丈は1mに達し、イネの穂を越えることもある。葉脇の節毎に5~6個の花が着き、下から咲き上がって20段を超えるケースも稀でない。花は律儀に実り、1株に100個以上の実が成る勘定になる。 実には0・4mmの種子がぎっしりと詰まっているので、1株で30~40万個が出来、散布された種子は水に流されて広がり、日照さえ十分ならば100%発芽すると言うから怖ろしい。
休耕田が、一年でこの草に覆われる光景をご覧になった方も多いのではないだろうか。
九州方面には同属のナンゴクヒメミソハギが帰化していると聞くが、京阪神地区には、ホソバヒメミソハギが多い。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年10月13日 - 2013年10月19日 | トップページ | 2013年10月27日 - 2013年11月2日 »