ホソバヒメミソハギ(細身の美女が田の害草)
はじめて、アメリカ原産のこの草に出会ったときには、「さすがにミソハギ科だけあって、細身で姿が良く、4弁花が可愛いので、定住して田の畔を賑わしてくれることだろう」なんて、甘い期待を抱いて観察してきたが、とんでもない。昨今の異常高温に後押しされたこともあるだろうが、ひょろひょろと細っぽい外観からは想像もできないほど強烈な繁殖力を発揮して、「あれよ、あれよ」と言っている間に西日本一円を席巻して関東に進出し、国立環境研究所などが、稲作と競合する強害雑草として、駆除方法を研究する事態に至ったと言う。
茎の径は5mm内外だが、背丈は1mに達し、イネの穂を越えることもある。葉脇の節毎に5~6個の花が着き、下から咲き上がって20段を超えるケースも稀でない。花は律儀に実り、1株に100個以上の実が成る勘定になる。 実には0・4mmの種子がぎっしりと詰まっているので、1株で30~40万個が出来、散布された種子は水に流されて広がり、日照さえ十分ならば100%発芽すると言うから怖ろしい。
休耕田が、一年でこの草に覆われる光景をご覧になった方も多いのではないだろうか。
九州方面には同属のナンゴクヒメミソハギが帰化していると聞くが、京阪神地区には、ホソバヒメミソハギが多い。
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