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2013年1月25日 (金)

マサキ(鳥のために装う)

Photo_2 終戦直後、植木屋のアルバイトをした時の昔気質の親方の口癖は「垣根はマサキに限る、何しろ、木偏に正と書いて柾(マサキ)だからな」「それに刈り込みに強いし、品が良い・・・」だった。たしかに終戦後も暫くは、生垣の主流はマサキだったが、虫害に弱いと言うことで敬遠されてカナメモチや外来のプリペットなどに取って代わられた。更に土地価格の上昇と高率の相続税によって宅地が次第に細分化されて生垣に需要そのもが減り、今では旧家などで、かろうじて命脈を保っている状態である。。
そのマサキの生垣が満艦飾状態になるのは、実が熟れて外皮が弾け、朱赤色の仮種皮に包まれた肉感的な種子が顔を覗かせる初冬の一時期である。あつという間に鳥達が集まって、この極上の御馳走を食べ尽くすが、マサキの方は鳥の腸を通過した種子を広い範囲に散布して貰うと言う暗黙の双務契約が完了するという仕組みになっているらしい。 晩秋から初冬にかけてニシキギ科のマユミ・ツリバナ・ツルウメモドキなどが同じような繁殖の仕組みを持っていて、鳥達のために装う。 鳥の方も、その供応に預かるため、人の数倍から数十倍の視力と4原色(赤・黄・青・紫外線、ちなみに人は3原色・犬は2原色しか見えない)を感知する素晴らしい視覚を備えていてニシキギの仲間の期待を裏切ることはない。


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