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2013年1月27日 (日)

ツルウメモドキ(開運の木の実)

Turuumemodoki
アメリカでは観賞用に日本から移植したツルウメモドキが蔓延って森を覆い、問題視されていると聞く。アメリカ東部で猛威を振るうスイカズラや、コロラド州で樹下に蔓延するマンリョウと同じように、我が国ではまわりの樹木と折り合いをつけて手穏やかに棲み分けているようにみえるツルウメモドキが、何故異国の土地で暴発するかのように蔓延るのか、その理由を知りたいと思う。
ツルウメモドキは、里山の陽の当たる場所で普通に見ることが出来るつる性植物だが、花に咲いても殆ど気付くことのない程地味な存在なのに、実が熟れると一挙に華やぐ。特に生け花に携わっている方々の創作意欲を刺戟するらしく、口々に、この枝を大きく切り取って、大壺に活けて見たいとおっしゃる。 
たしかに、この枝ぶりは風雅で、たわわに稔った実の黄色い外皮が三つに割れて中から朱赤色の仮種皮に覆われた種子が、一斉に顔を覗かせる様子は息を飲むほど美しい。
最近、このツルウメモドキが11月10日の誕生花と知った。花言葉は「真実」「開運」「大器晩成」だと言うが、何を隠そう11月10日は私の誕生日である。「大器晩成」なんて言われて、来し方を振り返って見ても、思い当ることは何一つないが、当年81歳のわが身にとっても、「開運の木」と言う花言葉は嬉しい。
ここで使った写真は金剛山帳で平成23年1月4日に撮影した。この時は残雪が僅かに残る程度だったが、昨夜降り積もった雪で全山真っ白だと言う。1月30日山の仲間と雪中登山を予定しているので、樹氷に覆われたツルウメモドキの素晴らしい写真が撮影できるかもしれない。

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2013年1月25日 (金)

マサキ(鳥のために装う)

Photo_2 終戦直後、植木屋のアルバイトをした時の昔気質の親方の口癖は「垣根はマサキに限る、何しろ、木偏に正と書いて柾(マサキ)だからな」「それに刈り込みに強いし、品が良い・・・」だった。たしかに終戦後も暫くは、生垣の主流はマサキだったが、虫害に弱いと言うことで敬遠されてカナメモチや外来のプリペットなどに取って代わられた。更に土地価格の上昇と高率の相続税によって宅地が次第に細分化されて生垣に需要そのもが減り、今では旧家などで、かろうじて命脈を保っている状態である。。
そのマサキの生垣が満艦飾状態になるのは、実が熟れて外皮が弾け、朱赤色の仮種皮に包まれた肉感的な種子が顔を覗かせる初冬の一時期である。あつという間に鳥達が集まって、この極上の御馳走を食べ尽くすが、マサキの方は鳥の腸を通過した種子を広い範囲に散布して貰うと言う暗黙の双務契約が完了するという仕組みになっているらしい。 晩秋から初冬にかけてニシキギ科のマユミ・ツリバナ・ツルウメモドキなどが同じような繁殖の仕組みを持っていて、鳥達のために装う。 鳥の方も、その供応に預かるため、人の数倍から数十倍の視力と4原色(赤・黄・青・紫外線、ちなみに人は3原色・犬は2原色しか見えない)を感知する素晴らしい視覚を備えていてニシキギの仲間の期待を裏切ることはない。


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