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2012年12月31日 (月)

サンザシ(北京の冬の風物詩「タンフールー」)

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神戸の中華料理店でコース料理を終わった後に、親しくしていたシェフが、「こんなもの食べてみる?」と言って出してくださったのが、サンザシの実を串刺しにして糖蜜を掛け回した一見「みたらし団子」風の「タンフールー(糖胡芦)」と言うフルーツ菓子だった。口に入れると、甘ったるい糖衣の下の果肉が飛び上るほど酸っぱかった。
「北京の大衆が好む駄菓子です」と聞かされたが、現地では1串10~20円と安価で、北京や天津ではこの時期に数百台の屋台がずらりと軒を連ね、冬の風物詩とされているらしい。日本の縁日の屋台の「リンゴ飴」に似ているが、多分「リンゴ飴」の方が「タンフールー」を真似たものだろう。 広い中国では地方によって、リンゴ・苺・パインナップル・ミカンなど様々な果物を使うらしいが、トマト・チョコバナナ・山の芋などは,どんな味がするのか見当もつかない。
「タンフールー」に使われるサンザシの実は、写真で見るものより一回り大きく、梅の実程なので、改良品種のオオサンザシではないだろうか。もともと中国人はサンザシが大好きで、日本人が梅を使うように、生食・ドライフルーツ・果実酒・菓子や料理の補助材から漢方薬(山査子=強心剤・整腸剤・肥満防止)として重用するらしい。
我が国では、」メイフラワーの愛称で知られるセイヨウサンザシの方の知名度が高いが、中国原産のサンザシは享保19年(1734年)と渡来暦が古く、全国各地に広く植えられている。
古いと言えば、東大付属小石川植物園(元小石川薬草園)に、渡来直後の享保年間に植えられたと言う伝説の古木があり、毎年美しく花を咲かせていたが、いまも健在だろうか。

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コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

投稿: 添え状 | 2014年7月29日 (火) 08時38分

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