アストランティア・マヨール(住みついて欲しいヨーロッパの美花)
ウィキペディアによれば、世界中の民族がもつ創世記神話に登場する創造神は34柱あるというが、この花の原産地は東ヨーロッパから西アジアの林縁・水辺だと言うから、多分東欧あたりの神の手になる作品だろう。かなり手の込んだ労作なので、もしも神々の間で「山野草創作コンテスト」があるとすれば、上位入賞は確実と思われる。
特にイギリス人の好みに叶ったようで、Great master wort と呼び、イングリッシュ・ガーデンに欠かせない花としているらしい。イングリッシュ・ガーデンが紹介されるたびに、バックヤードに慎ましやかに咲く風情が気になっていたが、出会いがなく、今回ご近所で花を咲かせておられるのを見付けて撮影させていただいた。
それにしても、この花の造形美は見事である。
16枚の仏様の光背のように見えるのは、開花まで花を保護する総苞で、紅色の長い花柄を持つ多数の小花が、花の中心から放射状に広がっている。
こんな美しい花なのに我が国では普及が遅れた。理由は、高温多湿な夏季の管理が難しく、特に西日本では気難しい野草として敬遠されていたらしい。 きくところによれば、イギリスでは花壇から逃げ出したものが野生化し、小川の畔などで可愛い花を咲かせていると言う。 昨今、野にも帰化植物が蔓延って、うんざりさせられているが、「こんな美花なら大いに歓迎したい」など身勝手なことを考えている。
関西は無理でも、北海道・東北辺りなら望みがあるかも知れない。
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