ハナウド(ローカルな山菜「ウドナ」)
近所の朝市で懐かしい山菜を見付けたので、「ウドナだね。どこから仕入れたの?」と聞くと「兵庫県西部の無農薬野菜農家からですが、食べ方もよく知りません」「1把100円です」と心細い。見当をつけて、「佐用ですか」と言うと「そうです」と言う答えが返ってきたので嬉しかった。 じつは、その佐用町に晴耕雨読の拠点を持って7年間過ごしたが、春に地元の方々とこの「ウドナ」を摘んだことを懐かしく思い出す」。
花時には2mに達するハナウド(セリ科ハナウド属)の早春のロゼット状の若葉を「ウドナ」と呼んで食べるが、私の知る限りでは西播磨の一部の地域を除いては、殆ど知られていないローカルな山菜である。インターネットで検索してみても若芽を食用にすると言う記載は見当たらぬばかりか「一部で食用にすると言うが、セリ科には毒性の強いものがあるので、口にしない方が望ましい」とま言わている。牧野富太郎博士が自著「花物語」の中で「余りよい香りとは言えないが、国によって食べる」と言うのが数少ない山菜としての資料である。ところが佐用町を中心とする千種川流域の人々は、「ウドナを食べないと、春が来た感じがしない」と仰るから恐れ入る。 食べてみるとセリ科植物特有の香りがあり、おひたし」がよかった。
なお、この地区にはミズ(ウワバミそう)・コゴミ(クサソテツ)がふんだんに生えているのに、見向きもされていなかった。
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