ツバキ・実生(世界でたった一つの花)
同窓会で60年振りに出会った昔の友が、農水関連の仕事を中断して実家の農業を継ぎ、余暇を利用してツバキの新品種作出に取り組んでいると言い、アルバムを持参して、「これがお気に入りの第1号作品で妻の名をつけ、以降、長女・次女・息子の嫁さん、孫と、順番に命名してネタが尽き、次は誰の名前を貰おうかと思案している」と自慢していた。 我が家でも自然交配でできたツバキの種を播いて花を咲かせて楽しんでいると話したら、「交配は綿密に計画し、この種の雌しべにこの種の雄しべの花粉を付けて掛け合わせ、できた種を播いて花を咲かせ、それを選別して初めて新種と言えるのであって、君のはただの雑種だよ」とにべもなく、片付けられてしまった。 「いま、世間で持て囃されている名椿と言えども、その殆どが枝変わりか自然交配による雑種ではなかったかな」と言いたかったが、心の中で呟くだけにとどめて、黙って引き下がった。
その雑種のツバキが、また一つ花を咲かせた。母親は「燕返し」という品種だが、父親が解らない。
我が家に咲くどの花とも似ていないのが悔しいが、その点は正に雑種の雑種たる所以であろう。
しかし負け惜しみに聞こえるかも知れないが、世界でたった一つの我が家の花と言うだけで愛おしい。
ちなみに、我が家の作品にはまだ名前がありません。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こんにちは。
住之江と玉之浦をどうやって見分けるんだろう?と調べているうちにこちらのブログにたどり着き、冒頭の椿の美しいことに立ち止まって見入ってしまいました。花弁の色花粉の色、花の形が作る影と色の重なり。沢山咲いている姿はまた一層美しいでしょうね。この花弁の色はワタシが唯一知っている羽衣という名の椿にも似ているように思います。
…以上感想を置かせていただきました…
投稿: Sky daisy | 2019年2月23日 (土) 22時18分