カミガモシダ(「オタク」話を聞いてください)
春日山原生林のナギの純林の下で、カミガモシダ・ナチシダなど暖地性のシダの群落を見つけて「羊歯屋」と呼ばれてた若い頃が思い出されて、久しぶりに血が騒いだ。
中学から高校時代にかけて生物の指導を受けた先輩が「兵庫県下のシダ植物 の生態」を生涯のテーマとなさっていた方で「山を歩くついでに、シダを集めてくれ」との要請を受けたのが最初で、先輩の論文に「○○山××谷・松井採集」と記載していただくのを楽しみに、この花も咲かない変な植物との長い付き合いが始まり、遂には仲間に「羊歯屋」とからかわれるほどのめり込んだ一時期があったと云う訳である。
そのお陰か、60年振りの対面にも拘わらず「カミガモシダ、日本の固有種、本州の新潟県・岐阜県以西、四国・九州に産するがやや稀、ヌリトラノオに似るが羽状の裂片の切れ込みが大きく、無性繁殖するので区別することができる・・・」という図鑑の文句がすらすらと暗唱できたのだから、われながら驚いた。
京都の上賀茂神社の神域で発見されたのでこの名が付けられたといわれるこのシダに、奈良の春日大社の森で再開できた因縁も面白いが、それよりも、最近、気候の変化や盆栽業者による乱獲で数を減らし近畿レッドデータで絶滅危惧種Bランクにあげらている聞いてるだけに、その健振りが嬉くて、長々と「オタク話」を述べた次第であります。
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