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2010年4月 2日 (金)

アサツキ(源氏物語乙女の巻)

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曲水の宴で名高い京都城南宮の源氏物語花の庭にアサツキが植えられているのを見て、一瞬訝しく思ったが、神社で刊行された「源氏物語の庭ー草木の栞」を拝見して、源氏物語乙女の巻などにでてくる大宮人の着衣の色に因むと知って納得した。

平安時代に宮廷で浅葱色の着衣を着るのは、昇殿を許されない6位の階層だったと言う。紫式部がその着衣の色を好まく思っていたのだろうか、一方でアサツキは日本産の野草の中で珍しく野菜化され、当時の貴族の食卓にものぼったといわれているので、式部がその和え物などを好んだのか、それとも宮廷の料理人が厨房の片隅などに仮植えしていたアサツキをみて、あの鮮やかな色彩を目に止めていたのだろうか・・・などと想像してみるのも楽しい。

アサツキの葉の色は色名図鑑などで見る「浅葱色=黄味を帯びた浅い緑色」とはかなり違っているように思えるが、あえて詮索することもあるまい。

野生のアサツキは中国山脈のあちらこちらで見掛けた。 シロウマアサツキはアサツキの高山型と言われているが、その名の由来とされる白馬岳大雪渓の葱平で、散々探し回ったすえ、やっと見つけて撮影したことなど、懐かしく思い出す。

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サクラジマダイコン(果たして異国で育つかどうか)

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万博公園の近くを散歩中に見慣れない野菜を見付け、見事な造形美に惹かれて畑の主に訪ねたことから一人の老人と親しくなった。当年84歳。生まれ育った故郷が忘れ難く、わざわざ鹿児島から種を取り寄せて蒔いたとのこと。家庭菜園の狭い所で10株残して毎日のように世話を焼いたが、土壌が合わないのか、低温が災いしたか、旨く育たない。     Photo_6

2月の終わりに董が立ち、3月中旬にはとうとう花が咲いてしまった。「あぁ、だめだった」と言う老人のため息が聞こえるような気がする。 しかし、「腐っても鯛」、音に聞こえたサクラジマダイコンだけあって、葉も雄大だが、蕾や花にも、そんじょそこらのダイコンとは一味違った風格が感じられる。 あの爺さんのことだから来年も懲りずに挑戦なさるに違いない。

「応援してますよ」と心の中で呟いて、撮影させていただいた。

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