ガマズミ(納得できない名前の由来)
六甲山のガマズミの実が色付き始めた。日本全国の里山に分布し、用途も広い木なので、親しまれ、各地で思い思いに名付けられたらしく、たくさんの異名を持っているが、さてその由来はというと正規の名ガマズミからして、納得できる説がない。
まして古名のヘミ・ヘキミ、異名のヨソゾメ・ヨウゾ・ヨツズミ・ソゾメ・ソネに至っては見当もつかないが、「カマ」「ガマ」と「スミ」「ズミ」を分けて見ると、どうにか筋道が見えてくるように思える。
「カマ」「ガマ」に2説あり
① 材が固いので鎌の柄として重用された
② 中国名の夾迷(キョウメイ)が訛って、「カメ」から「ガマ」になった
「スミ」「ズミ」にも3説がある。
③ 実を赤色の染料としたので「染め=ソメ」と言う
④ 実が酸っぱいので「酢味=スミ」と言う
⑤ 山で薪を縛る藤蔓などをソネと言うが、ガマズミもソネに使われたので「ソネ」が「ゾメ」「ズミ」に転訛された
①②と③~⑤の組み合わせで名付けられた言うのだが、今一つ納得性に欠ける。
前川文夫博士の説に魅かれている。語源は「神っ実」で、山を駆け巡ったマタギが、この実を食べて狩猟の疲れを癒し「山の神の贈り物」と言い伝えてきたという。 事実、東北地方では果実酒が成人病の予防に効果があるとして、見直されているらしい。「神っ実=ガマズミ」の筋道はちょっと苦しいが、ロマンがあって面白い。
しかし、個人的な思いだけで決めるべき問題ではないので、各説を併記させて頂くことにした。
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