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2009年3月22日 (日)

シロバナネコノメソウ(ネコノメソウ属切っての美形)

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サラリーマン生活を卒業したのち数年間、兵庫・岡山の県境の佐用町に仲間と共同で晴耕雨読の拠点を持っていたが、この辺りは、植物分布の面で特異な種の多い「阿哲地区植物群」の東端にあたり、それに加えて山陰の「日本海性植物」・「瀬戸内海性植物」が混在しているので、春夏秋冬珍しい植物に囲まれて、花ウオッチャーとしては、またとない環境の中で至福の時を過ごすことができたことを懐かしく思い出される。

春の雪が消えた山裾の樹下でカタクリやショウジョウバカマなど少し大形の花に先駆けて咲くのがヤマエンゴサク・ジロボウエンゴサクなどスプリング・エフェメラルと呼ばれる可憐な花達だが、それらと競うように咲くネコノメソウ属切っての美形シロバナネコノメソウの開花を待ちわびたものだった。                 Photo_2

小さい掌のような葉の間から短い花茎をもたげ、白い蕾が綻びて中から真っ赤な雄蕊の葯が覗く瞬間は何度見ても新鮮で、地元の人々をご案内して感動をお裾分けしたりして楽しんだ。 

中部・関東の山でハナネコノメソウを見慣れていたが、シロバナネコノメソウは全体が大きくて軟毛が多い点で区別できると地元の方に教えていただいたが、正直なとこと両者の違いはよく解らない。

ハナネコノメソウが近畿以東に分布し、シロバナネコノメソウは中国地方と四国・九州本拠があって棲み分けているらしいが、近畿地方には両者が混在しているようにも思える。  どなたかお教えくださいませんか。 

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2009年3月21日 (土)

レンプクソウ(サイコロ型の花序を持つ花)

Photo この不思議な花序を持つ花に出会ったのは上高地の徳澤だった。

草丈僅か10cm、緑の葉の間から細い花茎をだして、その先端に一辺が7~8mmの正六面体(サイコロ型)を載せたような特異な花序をつけ、5個の花を咲かせるが、登山路を歩いていてもよほど神経を集中していないと見逃してしまうことだろう。

教えてくださった花の先輩の「十一面観音ならぬ五面の観音さんだな・・・」と言う下手な駄洒落が記憶に残っている。

地味ではあるが、仔細に見れば見るほど面白い花で、葉の間から伸び出したサイコロ型の花序の頂上の花が先ず開き、続いて前後左右の4つの合弁花が開くが、頂上の花は花弁が4裂して雄しべが8本なのに、あとの4つの花は花弁が5裂して10本の雄しべを持っている、雄花と雌花の区別があるのだろうかとも思って観察して見るが、そうでもないらしい。                 Photo_3                 

図鑑類では、スイカズラ科のニワトコ属に近い1科1属1種の植物で、北半球の温帯に広く分布するとされており、中部地方以北の登山路の路傍でしばしば見ることができるが、近畿地方では京都植物園にあるだけで、野生状態では未だ出会ったことがない。

なお、ヨーロッパに分布するものは n=36 で、日本型は n=45・54 だという。

                 

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