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2009年2月12日 (木)

リュウキンカ(河川敷の花ウオッチング)

Photo_2 万博公園を水源として淀川に流れ込む大正川は不思議な川で、住宅地の真っただ中を流れるのに絶滅危惧種のアサザが繁殖していたり、護岸にカワセミが営巣したりする。

堤防はさながら帰化植物の展示場といっていいほどで、花の美しいハナハマセンブリもここで見付けたし、コゴメバオチギリ・ノハラナデシコなども、ここで消長を繰り返している。

そこで高山の渓流の花であるリュウキンカを見付けたのは10年程前だった。流域の住宅で栽培されていたのが逃げ出したのか、それとも万博公園(今でも栽培されている)Photo_3 から流れ出たのか、目に付く花なので、堀り盗られることも多いが、護岸の高くて手が届かない所などで生き残り、河川敷の栄養分を吸収して、今では数か所で立派な群落を作って繁栄している。

川底は寒風に曝されることが少ないので、年末には花茎を擡げ、正月早々に同居しているニホンズイセンと競うようにして、あのメタリックな豪華な花を見せてくれるから嬉しい。

以前、武田製薬の修学院農場から逃げ出したシャクチリソバが高野川を下り、加茂川を経て淀川まで生息域を広げるのを追跡したのと同じように、このリュウキンカがどれだけ広かるか、見届けようと思っている。

こんな花ウオッチングもまんざらではない。 

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2009年2月11日 (水)

ミヤコザサ(熊笹と隈笹と都笹)

Photo 冬の六甲山を歩いていて、笹の葉に積もった雪を見た。

この辺りの笹は冬になると縁が枯れて隈取ったようになり、そこに積もった雪と濃い緑のコントラストが息を飲むほど美しいので、メンバー一同歓声を挙げたが、中に観察眼の鋭い人がいて「普通のクマザサはもう少し幅が広い感じがするのに、六甲のクマザサは幅が狭い感じがします。 どうしてでしょう」と聞かれたので、「栄養の良し悪しが原因かな?」と曖昧に答えたものの、もう一つ釈然としなかったので、帰ってから調べて愕然として、穴があれば入ってしまいたい思いがした。

① 熊笹(クマザサ)は京都の鞍馬・貴船地区中心に生える地域限定の特殊な笹で、葉の基部が太くて円く、先が細くなる。

② 六甲山で見るササは、ミヤコザサ(都笹)と言い、京都の比叡山に生えるものを標準とするので優雅な名が付いた。 葉はクマザサ(熊笹)よりもほっそりしていて、先は徐々に細くなる。ミヤコザサは北海道から本州(主に太平洋側)・四国・九州に普通に生えるササで、変種も多い。

③ 隈笹(クマザサ)は、冬に葉の縁が枯れて隈取りが出来るササの総称である。

こう答えられれば合格だろうが、「栄養が悪いササ」では洒落にもならない。兵庫県内の高校に在学していた頃に、神戸の高校に室井綽と言う竹の権威がいらっしゃって、その先生の植物観察会に何度も参加する機会があったのに、小生意気に「竹や笹なんで・・・」と言う思いがあって、自分勝手に山野を歩きまわっていた。

この当時に、きちんと勉強していたら、こんな初歩的な放言はしなかったと後悔しても、後の祭りである。

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