ヤマガキ(お前まで中国産なのか・・・)
ヤマガキは里山の構成樹のひとつで、北海道を除いて全国に分布しているが、近畿では六甲山系とその周辺に特に多いような気がする。
12月の初旬に猪名川中流の多田銀山を歩く途中でも、すっかり葉を落とした雑木林の中に、朱色に熟したヤマガキが霄壤とした里山の風景に色を添えてくれていたが、遠出するまでもなく、千里丘陵の東の端に当たる我が家の周辺でも、普通に見ることができる。
そもそも、カキは日本在来の植物で、このヤマガキが永年に亘って選別淘汰されて、現在の富有柿を始め1000種を超えるといわれる果樹としてのカキが生み出されたと信じて疑わなかったのに、実はそうではならしい。 その根拠は、
① ヤマガキなど野生のカキは、人臭いところにだけ生えて、深山には見当たらない。
② 化石化または炭化したカキが見つかっていない。
③ 縄文時代の遺跡(貝塚・住居跡)からカキの種の出土れいがない。
のだと言われてみれば、反論の余地はない。中国原産の栽培品種が稲の伝来の頃に我が国にもたらされ、その後、種子が鳥に運ばれて野生化し、先祖帰りして現在のヤマガキ・マメガキ・リュウキュウマメガキなどが生まれたのだという。
モモ・ウメ・ビワなど日本にも在来種があったとされる果樹の存在が次々に否定される中で、カキまでそうだと聞かされて、思わず「お前まで中国産なのか・・・」と叫びたくなった。
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