マルバフウロ(または新参の帰化植物か?)
最近、大阪近郊のの果樹園や農道の肩道などで、従来の帰化植物図鑑に掲載されていないフウロソウ属の花を見掛けることが多くなった。
どうやら、地中海沿岸地域を原産地とするヤワゲフウロとマルバフウロらしいと見当をつけているが、やや心許ない。
1977年村田源氏によって命名されたヤワゲフウロの方は、花弁が大きく切れ込んで10弁に見えるなど特徴もはっきりしており、インターネットでも写真入りで紹介されて、大方の認知を受けた感じがするが、マルバフウロ(写真参照?)の方は、Biglobeにもgoogleにも写真の掲載がなく、私の手元には、植村修二が日本帰化植物友の会「帰化植物写真ニュース№6に掲載されている写真しかない。
ここに掲載した写真は、11月18日高野町石道の笠木村落の柿畑の畔で撮影したものだが、季節的に咲き残りの感があり、サンプル写真となし難いと思っているが、はたしてマルバフウロか、それとも未知のフウロソウ属の花だろうか。
戦後の昭和26年に銀行に就職し、京阪神・名古屋・東京ほか地方都市を転勤して歩く傍ら、各地で帰化植物の推移を観察してきたが、植物の方は続々と渡来してくるのに、一部の同好の士を除いては関心を持つものも少なく、図鑑や参考文献も入手できなかったので、素人が名前を知ることもままならぬ状態が続いた。今を思えば隔世の感があるが、それでも未だこのようによく知られていない植物が多いのだから、この世界も奥が深い。じっくりと知見が増えるのを待ちたい。
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コメント
画像拝見しました。私はマルバフウロを報告いたしました近畿植物同好会の植村と申します。これはマルバフウロではないでしょう。欧州原産のGeranium lucidum L.かと思いますが、正しく同定するには熟した果実や種子を必要とします。もし、この種類なら日本で初めての記録かもしれません。詳しい撮影地教えていただければと思います。
投稿: 植村修二 | 2009年6月 1日 (月) 14時30分