ツルマメ(大豆のご先祖に会いにゆく)
大豆のご先祖様に会いにゆくといっても、別に身構えることはない。
自宅から数分歩いた空地に蔓を伸ばしているツルマメがそれで、いまちょうど可憐な花をさかせ始めた。
「これが大豆のご先祖ですよ」と説明しても、素直に納得できないらしく、戸惑ったような顔をなさるだけである。しかし、花を仔細にみれば、大豆によく似ているし、花が終わって実が大きくなると、中の豆は貧弱だが、さやは「枝豆」そっくりである。
大豆は、4000年ほど前に中国の東北部~シベリアの辺りで栽培が始まり、我が国でも縄文遺跡から炭化した豆が発見され、古事記にもその名が記載されている。
ツルマメに関するエピソードを二つ紹介させていただこう。
① ツルマメはシーボルトによって、 Glycine soja Siebold et Zucc という学名が付けられているが、soja は醤油を意味するらしい。 ツルマメが大豆の原種と知らない筈のシーボルトが、どうして大豆から作られる醤油の名前をつけたのだろうか。 それとも知っていたのかしら・・・。
② 除草剤に耐性のある遺伝子組み換えの大豆とツルマメを自然交配させる実験を行ったところ、数万か数十万例の中の一つが結実したと仄聞した。確率はどうあれ、遺伝子組み換え植物と自然の植物が自然交配する可能性があると言うのは不気味ですね。
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