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2008年6月24日 (火)

カラスビシャク(畑の道化師)

Photo 畑を耕した経験のある方は先刻ご承知だが、梅雨の季節に入り頃に、畑の畔に、この草がニョッキリと顔をだす。

こずるくて胡散臭いペテン師のようでもあり、頬かぶりしたこそ泥とも見えて、なんとなく愛嬌があるので、抜くのが躊躇われるが、雑草に違いないので、思い切って引っ張ると、地上部だけはすっぽりと抜けるが、地下に球根があって根絶することは不可能に近く、翌年は蔓延って何倍かになり、あちらからも、こちらからも、むっくりと頭を擡げてくるので根負けしてしまう。

同属のマムシグサやコンニャクなどと同じように仏炎苞と呼ばれる不気味な花を咲かせるが、この草は背丈15cm内外で、なんとなく道化師のような雰囲気があるので花を「烏の柄杓」に見立てたという。

思わず噴き出したくなるのが別名の「ヘソクリ」で、葉の柄にムカゴを抱えている様子が、ヘソクリを抱えて周囲を見回し、オドオドしている農家の若嫁そっくりに思える。

それにしても、良い名をつけたもので、庶民の観察眼の確かさに頭が下がる思いがする。

この草を乾燥したものを漢方で「半夏」と言い、咳止めと足の裏の肉刺(まめ)の除去に特効があると聞いている。

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