ヤマブキソウ「山吹・燕の目薬・疣ころり」
金剛山の山頂近く、ダイアモンド・トレイルの側道で黄金色の花を撒き散らしたようなヤマブキソウの大群落に出会い思わず歓声をあげた。総じて群れて咲くが、近畿県内では伊吹山・霊山など石灰岩質の山以外で、これほどの群落は珍しい。
さて、この花の特徴を列記すれば、「山吹」「燕の目薬」「疣ころり」と、落語の三題噺めくが、解説させていただくと、
①「山吹」・・・言わずとしれたバラ科のヤマブキそっくりで、ヤマブキが5弁、ケシ科のヤマブキソウが4弁の相違があるが、花から葉の形までよく似ているので、「ヤマブキソウ」以外のネーミングは思い浮かばないだろう。
②「燕の目薬」・・・欧米では同属の花を「スワロー・ウォード」と呼ぶらしい。 燕は飛びながら微小な虫を捕える視力抜群の鳥だが、親鳥が子育て中に、この草の黄色い乳液で目を洗い、視力を向上させるといわれていると聞いたことがある。
③「疣ころり」・・・中国・日本では、この草の汁が、「疣」「魚の目」をとる秘薬とされてきたらしい。
いずれにしても、ケシの仲間なので全体にアルカロイドを含むので、毒にもなれば薬にもなると言うことだろう。
なお、種子に種枕(エライオソーム)を持ち、カタクリやスミレなどと同じように蟻によって種子が散布されることでも知られている。
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