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2008年2月16日 (土)

カンザキアヤメ(私しぁ、も少し背がほしい・・・)

Photo_2 例年になく寒い日が続くので、名神高速道路脇の空き地に半野生化しているカンザキアヤメ(寒咲きアヤメ)の群落が、どうなっているか気になって訪ねた。

地中海沿岸生まれのこの花が、どう言った経緯でここに住み着いたのか、知るよしもないが、勢いのよい時には、寒の真っ最中に40~50個の花を咲かせるので、「人の知らぬ秘密の花園・・・」なとと一人決めにして悦に入ってたものだったが・・・、都会の真ん中で無事に生き延びられる筈がないと案じていた通り、1箇所は宅地化されて全滅し、もう1箇所も地元の人に堀り採られて、年々少なくなってきたが、それでも健気に数輪の花を咲かせていた。

(その分、近所の民家に広まり、この記事にはあちらこちらで花をみることができる)

欧米では、アヤメ属を Iris と呼ぶが、ギリシャ語で「虹」を意味すると言う。 虹のような多彩な花を咲かせるので、紀元前2,500年前に栽培され、世界最初の園芸植物と目されている。 アヤメより一回り大きい豪華な花を咲かせるのに、花茎が短くて、葉に埋もれるようにして咲くのが難、花もそれを自覚していて「私しぁ、も少し背が欲しい・・・」と呟いているかも知れないと思いつつ、撮影した。

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2008年2月 4日 (月)

ツメレンゲ(古典植物に出会う方法)

Photo_2 ツメレンゲが古い農家の藁屋根に生えていて、晩秋に角のような花茎を出して花を咲かせていた風景を懐かしく思い出される方も多いのではないだろうか。 江戸時代の中期に一大ブームが起こって、園芸品種が作出されたと言う古典植物も、今ではすっかり忘れられ、いつのまにか環境省の準絶滅危惧種に指定されているので驚いた。

若い頃、こ生意気にロッククライミングの真似事をしていて、ルートを確保するために、岩場に群生するツメレンゲを払い除けていた思い出があるのに、大阪周辺の山を歩いても、めったに出会うことがなく、JR福知山線の武田尾や道場辺りでかろうじて命脈を保っているに過ぎない。

こうした古典植物に出会うには、古い農家や町屋を歩くに限る。JR京都線の千里丘駅は大阪駅から普通電車で僅か15分という距離にあるのに、駅から5分歩けば藁屋根の旧家に出会うし、農家の面影を色濃く残した家並みを見ることが出来る。 この花は初詣の途中に旧家の庭先で見付けて撮影させていただいた。

ツメレンゲは成長が極めて遅く、若い株が花を咲かせるのに10年以上掛かるケースもあるが、一旦花を付けると、その株は必ず枯れる。 しかし、枯れた株の根元には小株がぎっしり生まれていて、健気に命を繋いでゆく。

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