ザクロ(「紅一点」の由来の花)
「紅一点」の由来をクイズ形式で述べてみよう。 王安石(宋時代の詩人)下記の詩の題名「□□詩」に入る漢字2字の花の名は?
万緑叢中 紅一点 動人春色不須多
「人を動かすに春色多くを用いず」と言う語句が素晴らしい。
答えは「石榴=ザクロである。牡丹・芍薬・薔薇はじめ数々の赤花の名花を生み出してきた中国で、なぜザクロなの・・・と訝る向きも多いと思うが、ご承知の通りザクロは、イランの東部ザクロス山脈原産と言わ れる小低木で、聖書にも出てくる果実である。おそらくシルクロードを経由して中国に齎されたと思われるが、元来、紅色と朱色の花を偏愛する中国のこととて、エキゾチックな外来の花木として持て囃され、王安石の詩にも詠み込まれたものだろうか。
ザクロには、もう一つ見逃せない伝説がある。 ザクロの実は人肉の匂いがすると言う。釈迦が好んで子供を食う鬼神「可梨帝母」に、ザクロを与えて人肉を食べないことを約束させたところ、「可梨帝母」は改心し、のちに子供を守る「鬼子母神」と崇められるようになったと言う。
最近ザクロ・ジュースが更年期障害や不妊に効くということで、盛んに宣伝されているが、一方で国民生活センターが「格別の効果は認められない」と言う反論をしたりして、騒がしい。 なにはともあれ、ソフトボール大の輸入ザクロは、私の大好きな果実である。
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