この季節に、夏緑林の樹下で見るハグロソウは、平凡な花ではあるが、なんとなく愛嬌があって可愛い。
花冠は2つに裂けて唇状、雄しべが2本、果実は2室に分かれて、熟すとそれぞれ2個の種子を吐き出すという完全な2数性の植物である。
わが国には2数性の花は少ないらしい。
ハグロソウは葉が暗緑色なので「葉黒草」と言うのは実に無粋なネーミングである。
子供の頃に、この花を見掛けると、誰言うとなく「アッカンベー花」と呼んで興じていたが今から思い返すと、いささか下品ではあるが、この花の特質を鋭く掴んでいたように思われる。 子供の感性は馬鹿にならない。
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