クサギ(幸運と不運を併せ持つ木)
この木の属名をCleodendumと言うが、Cleros=運命、dendoron=木で、「運命の木」と言う意味がある。セイロン(スリランカ)では、幸運をもたらす木として大事にされる一方で、不幸を招くとして怖れられているので、両者を併せて「運命の木」と言う、哲学的な名前が付けられたと言う説がある。歴史的にインドの属国として多難であったセイロンの人々は、幸運と不運は紙一重であることを身をもって知り、世の定めをこの木に見たのだろうか。
小さい頃、昆虫少年だった私にとっては、クサギは幸運の木であって、花が咲けば、クロアゲハ・カラスアゲハ・ジャコウアゲハ・オナガアゲハなど平素は空高く飛んでいて、なかなか捕らえることの出来ない大形のアゲハチョウがやってきて、夢中になって蜜を吸うので、面白いほど簡単に捕ることができた。
この木は、花も愛らしいが、秋に熟す実がユニークで、赤い星形の萼の真ん中に鎮座する青い実が鮮やかで美しく、欧米では庭木として観賞すると言うのに、わが国では異臭があるといって忌み嫌う。
国際的にも好悪相半ばするところが面白い。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント