アイ(藍より出て藍より青いアイ)
藍色の染料として有名なアイは、中国6世紀の「斎民要術」に記載され、わが国でも奈良時代(9世紀)以降、青色系の染料として珍重されてきた。
朝日新聞社刊「花おりおり」③に「よくも染料になることを見いだしたもの。知らないと、ありふれたタデのひとつに過ぎない」とある通り、花は秋に咲くイヌタデ(アカマンマ)に似ている。
葉をそのまま利用する手法を「生葉染め」と言うが、古代の誰かが、藍玉にして発酵させると鮮やかに発色することを発見し、それが1,500年間伝承され、今に伝わったというから凄い。
わが国での青色の呼称は、色の浅いものから、浅葱色(あさぎ)ー縹色(はなだ)ー藍色(あい)-青色(あお)と変わるが、草木染にしろ、化学染料にしろ、その微妙な色合いを出すのは並大抵ではあかろう。化学染料(インデイゴ)の染め上がりは鮮やかだが、褪色は免れないが、アイで染めた青色、酸化作用によって発色が増すので、洗濯をすればするほどますます青色が濃くなると言い、その藍染の伝統は今も好事家によって受け継がれていると聞く。
「青は、藍より取りて、藍よりも青し」は「出藍の誉」とも言い、染料の藍から生まれた千古不滅の格言である。
7月13日、六甲の布引ハーブ園を訪ねたが、アイは花の盛りを迎えていた。
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