アツミゲシ(禁断の花は美しい)
散歩の途中で、野生化したアツミゲシが花を咲かせているのを見つけたので保健所へ通報した。
北アフリカから地中海沿岸原産の野生のケシで、現地では普通に見られると言うが、わが国では、ケシ(ソムニフェル種)・ハカマオニゲシと共に、アヘン法で栽培を禁止されている植物である。ご存知の通り未熟な果実がアヘン・アルカロイドを含み、その汁を集めて精製すればアヘンとなる。もっとも、ソムニフェル種に比べて果実の形も小さく、アルカロイドの含有量も少ないらしいから、心配することもなさそうではあるが・・・。
1964年に渥美半島に帰化しているのが見付かって、駆除するために警察や自衛隊まで動員する騒ぎになったと聞くが、繁殖力が旺盛で駆除しても、その甲斐がなく、いつの間にか全国に広まってしまったらしい。「禁断の花は美しい」と言う言葉どおり、アツミゲシも、花芯の辺りに怪しげな雰囲気を漂わせていて美しい。
以前は、「東京砂漠」とか「大阪砂漠」とか言われて、不毛の地とされていた都会の空き地が、いまでは珍しい花に出会う格好のフィールドになって、散歩の楽しみが増えたが、果たして喜ぶべきことなのだろうか。
追記 地元の保健所へ連絡したところ、即日対応していただき、ひこ生えにいたるまで完全に除去していただいた。 すばやい動きに感謝したい。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント