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2007年3月18日 (日)

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オニシバリ(怖ろしい名前の可愛い花)

Onisibari あるアマチュアの作陶展で、藍地の壷に、このオニシバリが一枝、何気なく投げ込まれているのを見て、作品の出来栄えは別にして「おぬし、やるな」と感心したことがある。

ジンチョウゲの仲間なので、黄緑色の花は、そっくりである。

樹高僅か1m内外の地味な木なので、早春の山で出合っても、ほとんど気が付かない。雑木林の樹下で、ひっそりと花をつけるので、見逃して通り過ぎることが多い。

オニシバリと言う怖ろしい名前の由来は、樹皮が強靭で、鬼も縛ることができると言うことで名付けられたらしいが、その名にあやかってか、厄を祓う木としてインターネットでも1株800円で売られている。そう言えば厄除けで知られる京都の宗忠神社(吉田山)や白峯神社の境内に植えられているのを見た記憶がある。

この木には、特技があって、秋に新芽をだして冬に葉を茂らせ、夏に葉を落として裸木になるという奇妙な習性から「ナツボウズ=夏坊主」と言う粋な別名を持っている。

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2007年3月 1日 (木)

カンヒザクラ(沖縄の桜前線は北から南へ)

Kannhizakura_1八重山諸島へ出掛けてヒカンザクラを見ることができず、帰って万博公園で花見をする破目になってしまった。

この桜は、八重山諸島の原産で、石垣島の荒川の自生地は国の天然記念物に指定されている。

以前、2月の沖縄本島を旅したときに見た、満開のヒカンザクラの印象が強烈だったので、是非本場でもう一度出会いたいと勢い込んで出掛けて、2月13日から17日まで、石垣島・西表島・小浜島をくまなく歩いたのに、まったく出会えなかった。 地元の人々に尋ねても「さぁ、今年はまだ咲いていないね」と頼りない。

帰って調べて見ると、原因は「暖冬」だと言う。

サクラ属の花は、つぼみの形成期に寒気に遭わないと開花が進まないと言う性質があKannhizakura_2  り、初冬の寒気が厳しい東京のサクラが、暖かい大阪よりも数日早いのも、同じ理由に因る。

カンヒザクラもこの性質を受け継いでいるので南西諸島のの桜前線は、北から南へ移動し、同じ島内では山の頂から咲き始めて、中腹から山麓へ咲き下がり、ちょうど吉野山のサクラと正反対の現象が起きるらしい。

今年の石垣島は、例年にない暖冬で開花が送れ、例年よりも2~3週間早く咲いた万博公園のヒカンザクラを見ることになったと言う訳である。

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アワユキセンダングサ(沖縄を代表する雑草)

Awayukisenndanngusa アワユキセンダングサは、北アメリカからの帰化植物だが、いまでは良い意味でも、悪い意味でも、沖縄を代表する雑草と言って差し支えあるまい。 名前も良い。

石垣空港に降り立ったときに、最初に出迎えてくらたのが、この可憐な白い花で、以降、石垣・西表・小浜の3島を歩いたが、人里・田畑・川原・渓流・原野・山裾・海岸・市街の空き地など何処へ行っても出会わぬところはなかった。

どこででも、年中発芽して、次々に花を咲かせるので、鶏や山羊の餌となり、養蜂家の蜜源になっているらしい。 戦時中は若葉をおひたしにしたり、生野菜として食べたこともあると言う。

中国・台湾・琉球の民間薬として、手軽に解熱・解毒・鎮痛などの薬効が期待でき、腹の痛むときには生の葉を噛めばよいと言われていたと聞く。 最近抗アレルギー・抗癌作用が発見されたほか、学名の「ビデンス・ピローサ」を商標にして、天然ハーブ・健康茶として売り出されているのを知って驚いた。

しかし、美しい花を咲かせても、本性はセンダングサ属の「クッツキ虫」に変わりなく、野山を歩くとやたらに実が衣服にくっつくし、農家では、年中猛烈に蔓延るので嫌われ続けているらしい。

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キンチョウ(中国名は「棒葉落地生根」と言う)

Kinntyou 八重山諸島を歩いて、琉球石灰岩の上に、この奇妙な植物が生えているのを見ると、ぎょっとする。

はじめて出会った瞬間に、フランスの自然派の画家アンリー・ルソーが描く空想の熱帯林の風景が浮かんだが、花を見てその可憐さに再度驚かされた。 名前をキンチョウ(錦蝶)というが、錦にも蝶にも似ていないのに、なぜこの名がついたか疑問が残るが、中国では「棒葉落地生根」と呼ぶと知り、「これなるかな」と感じ入った。中国人は、しばしば素晴らしいネーミングの才を発揮するが、これなどは典型的な事例だろう。

この草の葉は、紫と黒のだんだら模様をして棒状である。 この写真では判然としないが葉の先端に数個の不定芽をつくり、それが地に落ちると根を生じて小苗となる方法で群落をつくる。

この一連の変わった繁殖方法をたった6文字で表現するのだから恐れ入る。

マダカスカル島の原産で、多肉植物の愛好家には早くから知られていたらしいが、どういう訳か沖縄が気に入っ帰化したらしく、民家の屋根や石垣・駐車場のコンクリートの割れ目からマンション・アパートのベランダにまで生えて、ときには屋根や石垣を壊すなどの被害まで出始めているらしいが、最低気温5℃で枯れると言うから、いまのところ本州に進出する心配はなさそうである。

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