ブナ(ブナよ、生き残れ)
日本列島に氷河があった頃、寒地を好むブナは、四国・九州にまで広がって、豊かな広葉樹林を形成し、縄文人の生活を支えてくれたが、地球温暖化の影響を受けて、その生息域がどんどん狭まっている。
20世紀の100年間で、世界の平均気温は0・6℃上昇したが、21世紀には更に加速して平均3・6℃の上昇が見込まれ、その結果ブナは、高地へ高地へ、(北へ北へ)、と追い詰められることは必定と思われるが、標高が1,000~2,000mの近畿の山には、逃げ場が無いので、早晩絶滅せざるを得ない。
1月9日、金剛山の山頂付近のブナ林は、いまのところ健在で、巨木の傍らには若木も育ち、枝に純白の樹氷をつけて、我々を歓迎してくれたが、孫か曾孫の時代には、確実に消滅すると宣言されると、深刻な気分にならざるを得ない。 二酸化炭素の排出量規制など世界規模の温暖化防止策が実って、この心休まる美しいブナの森が、少しでも長く生き残ってくれるように、祈りながら歩いた。
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