チカラシバ(剛は柔に勝てないか)
万葉集に歌われた
たちかわり 古き都となりぬれば道のしば草 ながく生いけり
の「しば草」はチカラシバだといわれているが、古代から人里の近くで、人や牛馬と共に繁栄してきたらしい。
地面にしっっかりと根を下ろして大株となり、茎も葉も強靭で、なまじっかな力で引っ張ってもびくともしないのでチカラシバと名付けられたと言うこの草が、最近急激に衰えた理由を調べてみると、泣き所はなんと、草刈機に弱いと言うことである。
昔は、地道の車の轍にも、運動場にも生えていて、踏みつけられても平気だったのに、穂の出る前に草刈機で刈られると、復元力がないので、あっと言う間に枯死する。エノコログサやオヒシバ・メヒシバなどの仲間が刈られても、抜かれても、しぶとく生き残るのに比べて、拍子抜けするほどの脆さを露呈するのである。
要するに、「柔よく剛を制す」と言う人間社会の処世訓が植物の世界でも通用すると言うことであり、ブッシュ大統領も、この真理と体得していたら、よもや民主党に惨敗することはなかったろうと思われ、少し残念である。
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投稿: toshiki | 2006年11月10日 (金) 20時14分