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2006年9月17日 (日)

ツチアケビ(真っ赤なウインナ・ソーセージ)

Tutiakebi_1 初秋に、暗い山の樹下で、この花を見掛けると、一瞬ドキッとさせられる。

時には1mを超えるこの異様な植物の招待は、れっきとしたランで、真っ赤なソーセージの見えるのは果実である。その形からヤマサンゴ(山珊瑚)・ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)・キツネノトウガラシ(狐の唐辛子)など様々な方言で呼ばれる。

近畿地方以西よりは、北の山に多いようで、丹沢・秩父山系や東北の山で、頻繁に出合った。某山荘で軒に吊るして陰干しにしているのを見て、「何に使うの?」と聞いたとところ、親爺はニャリを笑って、「精力剤さ、よく効くよ」と答えてくれたが、形からして効きそうに思える。

このランには葉がない。

太い根にナラタケに菌糸を住まわせて、その栄養分を吸収して生活するので、自分で働く(光合成する)必要がないと解説すると、正義漢ならずとも「ヒモのような奴だ」と憤慨するが、その通りで、ナラタケの栄養分を略奪する見返りに、何をお返ししているのだろうか。

シンピジュムの仲間なので、花も地味ながら美しい。

この写真は、花と実が同時に見られる貴重なもので、兵庫県の後山で撮影した。

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コメント

こんにちは。大阪府のnikoです。
こちらには初めてお邪魔いたします。
ツチアケビ、拝見しました。
こんなのがいきなり目の前に現れたら、驚いてしまいますね。
まだ現物には出会ったことがないので、是非、驚いてみたいものです。
ナラタケ菌と共生しているという点は、オニノヤガラと同じですね。
花は、同じ腐生ランのショウキランなら見たことがあるのですが、
それを黄褐色にしたような感じなのでしょうか。
腐生植物は他に大正川遊歩道でヤセウツボを見たことがあります。
いずれも緑の葉がないだけに、不思議な印象ですね。

投稿: niko | 2006年9月17日 (日) 17時53分

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