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2006年9月28日 (木)

ゴンズイ(役立たずの木)

Gonnzui_1 里山に生えているが、さしたる特徴がないために、平素は殆ど目立つことのないのに、実が真っ赤に熟して弾けるこの時期だけ脚光を浴びるのがゴンズイである。

本来、ゴンズイは魚の名前である。

夜釣の好きな人なら、先刻ご承知の通り、外道として忌み嫌われるナマズの子に似たゴンズイ(関西ではギギとも呼ばれる)はヒレに毒針を持っていて、うっかり掴むとひどい目に遭う。 この木が何故こう呼ばれるのか気になって調べると、「材が脆くて何の役にも立たない」ところが、煮ても焼いても食えないゴンズイに似ているからだと言う。(樹皮の斑紋がゴンズイの肌に似ているからと言う説もある

もっと酷いのが各地の方言で、実を嗅ぐと悪臭がするところから、イヌノクソ(愛媛)・ウマノショーベンギ(高知)・ツミクソノキ(大阪)・ネコノクソまたはネコババノキ(長崎)・・・、など、まさに糞味噌である。

ヘクソカズラが野草の悪名ナンバー1なら、ゴンズイは木の部門のナンバー1と断言して差し支えないようだ。少しくらいくさいから、または人の役に立たないからと言って、別にそれ以上の害があるわけでもない平凡な木に、悪口雑言を浴びせるのは、イジメに似ている。

人は、残酷な動物なのかもしれない。

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2006年9月17日 (日)

ツチアケビ(真っ赤なウインナ・ソーセージ)

Tutiakebi_1 初秋に、暗い山の樹下で、この花を見掛けると、一瞬ドキッとさせられる。

時には1mを超えるこの異様な植物の招待は、れっきとしたランで、真っ赤なソーセージの見えるのは果実である。その形からヤマサンゴ(山珊瑚)・ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)・キツネノトウガラシ(狐の唐辛子)など様々な方言で呼ばれる。

近畿地方以西よりは、北の山に多いようで、丹沢・秩父山系や東北の山で、頻繁に出合った。某山荘で軒に吊るして陰干しにしているのを見て、「何に使うの?」と聞いたとところ、親爺はニャリを笑って、「精力剤さ、よく効くよ」と答えてくれたが、形からして効きそうに思える。

このランには葉がない。

太い根にナラタケに菌糸を住まわせて、その栄養分を吸収して生活するので、自分で働く(光合成する)必要がないと解説すると、正義漢ならずとも「ヒモのような奴だ」と憤慨するが、その通りで、ナラタケの栄養分を略奪する見返りに、何をお返ししているのだろうか。

シンピジュムの仲間なので、花も地味ながら美しい。

この写真は、花と実が同時に見られる貴重なもので、兵庫県の後山で撮影した。

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