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2006年7月28日 (金)

セリ(鴨と芹とは二世の縁)

Seri_1 梅雨の晴れ間を縫うようにして田圃に出て、セリの花を撮影した。「酔狂な…」と笑われるかも知れないが、花はこの時期でないと見られない。

昔、中国では2月1日(旧暦)を「踏青節」と言い、ご馳走やお酒を携えて、一日野原で遊ぶ習慣があったと言われているが、我が国でも万葉集・古今集・新古今集などの古歌にあるとおり、中国の故事に倣う、ナウくて、重要なイベントだったに違いない。 百人一首の

君がため春の野にいで若菜摘む我が衣手に雪はふりつつ   光孝天皇

からも、往時の大宮人が、まだ雪のちらつく野に出て、「セリ・ナズナ・オギョウ・ハコベラ・ホトケノザ、スズナ・スズシロこれぞ七草」と口ずさみながら、若菜を摘む風情が偲ばれる。 春の七草の筆頭に挙げられることでも解るが、セリとミツバは我が国最古の香味野菜で、早くから栽培され、「島根みどり」「松江むらさき」「飯野川」など水ゼリ系の品種が知られているが、香りと歯応えは、早春の野に張り付いて生える「田ゼリ」に及ばない。

なべ焼きの鴨と芹とは二世の縁

と言う、粋で生唾がでそうな江戸川柳を思い出すが、若い頃に山スキーを終えて泊まった但馬の温泉宿で、笊一杯に盛り上げた早採りのセリをふんだんに使って食べたすき焼きの味が忘れられない…などと、撮影したセリの花の写真を整理しながら、心が食い気の方へ走ってしまい、「所詮、私は花より団子の徒」と思い知らされた。

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コメント

はじめまして
セリの記事にトラックバックさせていただきました。
セリの花期は結構長いですね。七草のセリだが花は真夏
案外知られていないかも知れません。

投稿: どんぎゅう | 2006年8月17日 (木) 11時40分

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» 芹(セリ) [どんぎゅうの散歩道]
散歩道の周辺には殆ど花が見られなくなった中で,耕作放棄田の片隅にセリの花が咲いている。セリの花一つ一つはきわめて小さい。それが集まって一つの花の群れを作っている。カメラを通してみる花は繊細なものである。 セリというと冬から春にかけて鍋物に入れ,あるいはそれ自体をお浸しにして食べるが,独特の香りと野菜特有の歯ごたえがなんともいえない。人によって好き嫌いの激しい野菜ではないかと思う。市場に出荷されるものは水田地帯の農家で栽培されて... [続きを読む]

受信: 2006年8月17日 (木) 11時35分

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