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2006年7月 6日 (木)

ネムノキ(郷愁を誘う花)

Nemu 梅雨の晴れ間を利用して、嵯峨野から六合峠を越えて落合・保津峡を経由し「明智越」を明智光秀とは反対に、亀岡まで歩いた。

花の少ない時期だったが、今が盛りのネムの花が出迎えてくれた。

ネムノキは郷愁を誘う花で、少し年配の方なら、宮城まり子さんの「ねむの木学園」を思い出されるかもしれないし、皇后さん作詞の「ねむの木の子守唄」を連想される方も多いことだろうが、私は藤城清治画伯が描く里山と清流の風景を思い浮かべる。

ネムノキは、山間の河原や崖下などの砂礫が堆積した様な所に多く、梅雨のさ中に、マメ科の植物とは思えない繊細な花糸を持つボンボンのような花を枝一杯に咲かせる。

ネムノキの葉は、朝に開いて夕刻には閉じる。マメ科のフジ・ハギなども同じ性質を持っているのに、ネムノキだけが「眠りの木=ネム」の名前を与えられたのは、「その花が咲けば山の焼畑にアワ・ヒエ・アズキなどを播く」と言う言い伝えがあるほど山間の暮らしに密着した花だったからに違いない。

中国の「合歓」は、葉の睡眠運動を若い夫婦が抱き合って早寝すると言う粋な情景を二字で表現したこの種のネーミングの中の傑作であるが、わが国の貝原益軒は、「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安んじ、気を和らげる」と言う。

先ず国会議事堂の周囲をネムノキで囲むみ、ついで大量の木を北朝鮮へ贈ることを提案して見てははいかかでしょうか。

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