キキョウ(咲くときポンと言いそうな)
加賀千代女は元禄生まれの伝説の俳人で、「朝顔に釣瓶とられて貰い水」「ほととぎす郭公とて明けにけり」「起きて見つ寝て見つ蚊帳の広さかな」など人口に膾炙した名句(うち、「郭公」「蚊帳」の句は本人の作かどうか疑わしい)が、あるが、私は童心丸出しで、稚拙とも思えるキキョウの句が好きで、日ごろ愛唱しており、花を撮影するたびに口ずさんでいる。
桔梗(きっこう)や高嶺に戻る夜明け雲 望月たかし
は、日本アルプスへ登るべく、夜行列車を降りて、長いアプローチを歩き出す頃に見た信州高原の心象風景である。
キキョウは、東アジア特産の名花で、戦前戦後は里山の草刈場・カヤ場などで普通に見ることができたが、生活習慣の変化と乱獲によって急激に衰退し、環境省絶滅危惧種〔Ⅱ類〕(VU)に指定されて、野生種の100年後の生存率は僅か1%と言うから、寂しい。
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