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2006年6月30日 (金)

キクガラクサ(大本教花明山植物園で見た希少植物)

Kikugarakusa2 キクガラクサは、ぜひ出合いたい花の一つだったが、6月6日、大本教花明山植物園を訪ねて開花株に出合って念願を果たすことができた。

ゴマニハグサ科の多年生植物で、茎が細く地を這い、節毎に1枚の葉と根を出してマット状に広がる。 葉柄は5~8cm、葉身3~6cm、葉の腋から長さ3~6cmの花茎を出して、白色の1花を咲かせる。

本州の近畿以西、四国・九州に分布するが、環境庁絶滅危惧種Ⅱ類(UV)に指定され、京都府下では70年振りに発見されたと言うニュースは「京都植物25(6)8-10 2001」に記載されているが、記事に大本教花明山植物園長津軽俊介氏のお名前があるとことから推して、私が見た花は発見された株が株分けされたものだろうか。

この植物園には、近畿圏中心に生息する山野草が丹念に収集され、種別の株数が多く、適地にゆったりと栽培されている素晴らしい植物園である。来園者が少なく、じっくり観察できる環境も愛好者にとって、こたえられない。

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2006年6月28日 (水)

ビロードモウズイカ(入居者より先に住み着いた)

Biroudo 大阪の郊外に当たる吹田市には銀行や大会社のグラウンドや社宅・寮などが多かったが、バブル崩壊後売却されて、次々にマンションや住宅団地に変わってゆく。

その建設現場で、入居者よりも早く、ちゃっかりと住み着いたビロードモウズイカを見つけた。

ビロードモウズイカは不思議な植物で、この春までブルトーザーが土を掘り返していた宅地の道端に芽を出して、あれよあれよと思う間に成長し、私の撮影した時点では、私の背丈を超えて2mに達するのだから驚かされる。

地中海沿岸のゴマノハグサ科の植物で、今では南北アメリカ・アジア・オーストラリア・アフリカに広く進出している。日本には明治の初年に観賞用に輸入されたものが逃げ出して、特に、夏の涼しい北海道・東北・信州などに多い。      Biroudo_1

繁栄の秘密はその旺盛な繁殖力にあり、花穂の長さが50~80cmの長大な総状花序(食べさしのトウモロコシに似ている)を直立し、次々に花を咲かせ、実をつけるが、1株が生産する種子の数が、136千個から223千個と言うから半端ではない。撒き散らされた径僅か0・7mmの種子は、造成地や田畑の土に混じって、条件が整うまでじっくり休眠して時期を待つ。

地中海沿岸の植物らしく、水分の蒸発を防ぐため全体が銀白色の毛に覆われており、花の蕊にも毛があるので、「ビロードのモウズイ(毛の蕊のある)カ(花)と言う奇妙な名がつけられたが、スマートなネーミングとは言えない。

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セイヨウヒキヨモギ(第2のセイタカアワダチソウか)

Seiyouhikiyomogi 1973年に渡来が確認されたばかりの新参者の帰化植物なのに、旺盛な繁殖力を示し、あっと言う間に全国展開したらしく、各地からその繁殖振りが報告されている。

例えば、四万十川の流域では大群落を形成して、流域の生態系に影響を及ぼすことが懸念されると言うレポートがあるし、琵琶湖湖畔でも大繁殖し、梅雨に入る直前に開花して、湖岸を黄金色に染めるので、このまま推移すれば、第2のセイタカアワダチソウになるのでSeiyouhikiyomogi_ はないかと、懸念する人も多いようだ。 

10数年前に琵琶湖畔の近江八幡市で初見し、名前も判らず見守ってきたが、その後の繁殖振りは驚異的である。

帰化植物中のニューフェイスなので、文献も見当たらず、原産地が地中海沿岸と言うだけで、生態に関する情報も少ないが、ゴマノハグサ科の植物にときどき見られる半寄生植物で、芽出しの頃にはヨモギの類に寄生し、成長して後、自立すると言う。

花は総状花序をなして下から咲き上がる唇形花は鮮やかな黄金色で、遠くからでもよく目立ち、季節外れのナノハナと見紛う。 当分の間、この植物の盛衰を見守ってゆくこととする。

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2006年6月14日 (水)

ウノハナ(卯の花の匂う垣根に・・・)

Unohana_1 ウノハナは、どこででも、ふんだんに見掛ける花だが、こうしてクローズアップで見ると、純白の花の色はあくまで白く、花弁の形も新品のカッターシャツの襟を立てたようにしゃっきりとしていて、思わずはっとするほど美しい。

古人は、この実を小鳥を好むところから、鳥を呼ぶために生垣としたと言われており、そこから、万人に愛される「ウノハナの匂う垣根に、ホトトギス早も来啼きて・・・」の名歌が生まUnohana2 れたと言うが、いまでは都会は言うに及ばず、山郷の民家でも、ウノハナを生垣を見ることはない。

例年ならば、ウノハナの咲く頃は、五月晴れの好天が続くのに、今年は「卯の花廃し(くたし)」の長雨で、花が終わる頃になって、やっと晴れ上がった。

6月13日、山の仲間と比良山系の「八淵の滝」へ出掛けたが、山麓の緑の濃い広葉樹林の下にウノハナが咲き乱れ、涼風に乗って聞こえてくる懐かしいハルセミの声に耳を傾けながら、里山歩きの醍醐味を心ゆくまで味わうことができた。

公園などで、ヨーロッパで品種改良されたと言う赤花のウノハナを見るが、それも悪くない。

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