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2006年4月 6日 (木)

アンズ(現代の杏林は何処に…)

Annzu_1 京都植物園の一角にアンズの林があって、サクラに先駆けて見事な花を咲かせる。薄桃色の花の下に佇んでいると、ウメやサクラと一味違った情緒が感じられて、うっとりとした気分にさせられる。

「昔、中国に菫奉(ほとう)と言う名医がいて、診療しても報酬を求めることなく、重症者には5本、軽症者には1本のアンズの木を与えて、植えさせたので、数年後には、その村に見事なアンズの林ができた」と言う。中国独特の桃源郷伝説の一つで、その故事に因んで、医師の美称を「杏林(きょうりん)と言うらしが、昨今の医療問題を巡る生臭い論争を聞くにつけ、一人の医者を囲んでアンズの花の下に村人が集い、健やかな暮らしを寿いだであろう古き良き時代が偲ばれる。 現代の杏林は何処にあるのだろうか。                                          Annzu_2  アンズの原産地は中国の北部で、4,500年前から植栽され、シルクロードを経由して西の方へももたらされ、今ではギリシャ・トルコなど地中海沿岸地方がアンズの一大産地となっている。 日本人には、あの酸味の優った味が苦手のようで、生食されることは少なく、アプリコット・ジャムか中国料理のデザートの「杏仁豆腐」の方が馴染み深い。

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