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2006年2月 6日 (月)

オオイヌノフグリ(寒暑節を過たず・・・)

ooinunohuguri 「花便り」に、「寒暑節を過つ…」と言う古人の言葉を引用して、世上の混乱と為政者の怠慢を嘆き、節を過たないのは花だけだと書き添えたら、「今年は、近来稀な寒気の影響で、ウメも開かず、メジロもやって来ない」「花も鳥も、節を過っているではないか」と言う厳しいご意見をいただいたので、「いいえ、この通り、野っ原では、オオヌノフグリが可憐な花を咲かせていますよ」とご返事を差し上げた。

「節を過たず…」に咲くところは、あっぱれと褒めてあげたい。                                      ooinunhuguri

蛇足ながら、この花の受粉の仕組みをご報告させていただこう。 オオイヌノフグリは、花の大きさに比べて花柄が細くて長く、蜜を求めて蜂が止まると、重みに耐え兼ねて花が下を向くが、蜂が慌てて花芯にしがみつく時に、雌しべは受粉し、雄しべは花粉を蜂の腹に擦り付ける。 現金なもので、受粉を終わった花に蜂が止まれば、ポロリと落花する。

早春のこの時期は、蜂も少ないので、受粉に成功する可能性は低いが、不幸にも受粉出来なかった花は、夕方花を閉じるときに、両方に開いた雄しべの葯が雌しべを挟み込んで、自家受粉する。 花粉学者の田中肇氏の著書から受け売りさせていただいたが、その巧妙な仕組みを、野原に出掛けて、 じっくりと観察するのも一興と思われる。

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コメント

小さなオオイヌノフグリに、そのようは仕掛けが施されているとは驚きです。写真入の解説でよく判りました。
私も、じっくりと観察してみます。

投稿: ぴょんぴょん | 2006年2月11日 (土) 12時41分

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