カンザキアヤメ(寒中にひっそりと咲く花)
カンザキアヤメの故郷は地中海沿岸で、花の少ない寒中に咲く貴重な植物である。
立春を前に、小春日和が帰ってきたので、カメラを担いで出掛けようとすると、家内が、「こんな寒中に花が咲いているものですか」と言うが、こちらは目算があるものだから、真っ直ぐに目的地に向かうと、果たせるかな、カンザキアヤメは花盛りである。
東名高速道路沿いの、小さな寺院と民家の境目の南斜面の日溜りが棲み易いのか、半野生化していて、 毎年正月前から花をつける。 写真で見る通り、紛れもなくアヤメ属の花だが、残念ながら背が低い。 花の背丈は15cm内外で、25~30cmの緑濃い葉に埋もれて咲くものだから、散歩する人々も見過ごすのだろう、お蔭で盗掘されることもなく、時期が来ればひっそりと咲く。
外側の花弁(実は萼)の根元の「あやめ模様」が鮮やかである。 「あやめ模様」(文目模様とも書く)は、日本が誇るデザインの一つではないだろうか、小粋で清楚で、浴衣や帯など和服の地模様に相応しい。
2月4日付けの朝日新聞は、「花おりおり」でカンザキアヤメをとりあげていたが、私の撮影の方が、僅か2日だけだが早かった。
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