セツブンソウ(儚げで美しい早春の花)
京都植物園で、セツブンソウを撮影中に、熟年のご夫婦に出会った。
青森にお住まいとのことで、何年か前に、ここで見たセツブンソウが忘れられず、電話で照会したところ咲いていると聞き、矢も盾もたまらず、今朝の一番機で青森空港を飛び立ち、さっき京都に到着したばかりだと言う。 たしかにセツブンソウとユキワリイチゲだけは東北では見ることができないが、それにしても「わざわざ、青森から…」と思わないでもない。 しかし、そう言う私だってハヤチネウスユキソウやミチノクコザクラに合いたくて東北へ出掛けているのだから、このご夫婦を物好きと言う訳にはゆくまい。
若いころから、「野草を植物園で見るなんて・・・」と嘯いて、セツブンソウに合うために、中国山脈の山麓を歩き回っていたが、生育環境の変化に対する適応力は乏しいためにレッド・データブックの絶滅危惧種に指定されるほど生息域を狭めたこの花との出合いが困難になり、寄る年波で行動力が衰えてくると、現金なもので、毎年同じ時期に同じ場所で花を見ることができる植物園が、貴重な場所に思えてくる。
セツブンソウの花は、いつ見ても儚げで美しい。
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