ロウバイ(物言わぬ我が友)
ロウバイは、その名の通り蝋月(旧暦12月)には満開になるが、昨年来の寒波で例年よりも開花が1週間程遅れた。
私には気に入った木を友人と看做す妙な性癖があり、若い頃から続けてきた結果、国内から海外まで、人間よりも多いくらいの「物言わぬ友」を持つ羽目になってしまった。 中には京都御所の大イチョウやムクノキの大樹、根尾の薄墨のサクラなど天然記念物級の超大物もいるが、たいていはハイキングや散歩の途中で出会った平凡な木が多く、このロウバイなども、その中の1本である。
自宅近くのマンションの前庭にあり、知り合ってから優に20年を超える。 時々ご無沙汰訪問するこの木の背丈は、当初、私と同じ位だったのに、持ち主が剪定など一切なさらないものだから、伸び放題に伸びて、今では5mを超える大木になってしまった。日当たりの良いところに生えているので、花つきは抜群、中国原産の花木に共通する芳香が辺り一面に漂って、この木の下にいると、いっときこの世の憂さを忘れさせてくれる感じがする。
家主さんにご挨拶して撮影していると、「一枝切って差し上げましょうか」と言ってくださったが、まさか、年来の友の手足を切り取っていただく訳にゆかないので、丁重にお断りして帰ってきた。
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コメント
私の物言わぬ友”ロウバイ”は、水戸の偕楽園におりまして、時々会いに出かけます。今年はインフレエンザAが流行しているとかで、残念ながら行くのを遠慮します。
投稿: ぴょんぴょん | 2006年1月24日 (火) 18時42分