ヤツデ(冬の昆虫を集める濃い蜜)
ヤツデは、日本の特産種で、冬中、天狗の団扇(うちわ)に似た、大きくて艶やかな葉をつけているので、欧米でも高い評価を受けて、庭園などに広く栽培されているが、花も面白い。
花は11月~1月に咲く。
雌雄異花で、雄花は花粉の生産と散布に専念するだけだが、両性花が変わっている。
先に雄しべが成熟するのと平行して 濃い蜜を出して昆虫を誘うが、その蜜が凄く、真冬の極端に少ない昆虫を集めるために必要なのだろうが、その糖度が50%(普通の花の蜜は15~20%)を超えると言うから桁外れの甘さである。 雄しべが花粉を散布し終えた頃に、密腺は一旦生産を中止し、次に雌しべが成熟して受粉可能になると蜜腺は活動を再開する。
花粉を媒介する昆虫はこの時期までかろうじて生き残ったニホンミツバチが主で、ハエに依存することも多いらしい。
なぜヤツデは、虫媒花としては、条件が最悪の時期を選んで花を咲かせるのだろうか。ニッチ戦略だとしても、極端に過ぎるように思われる。
ところで、ヤツデと言われるからには、葉が手のひら状に分かれる数は八つと思われているらしいが、実際に数えて見ると、5・7・9・11の奇数で、偶数の葉は1枚もないことい気付かされる。
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コメント
ヤツデの葉、分岐が偶数の葉は一枚も無いのですか。不思議ですね。
投稿: ぴょんぴょん | 2006年1月21日 (土) 19時07分
おはようございます。
ヤツデの密がそんなに糖度が高いとは知りませんでした。
また、ヤツデと呼ばれながら、
葉の数が常に奇数とは実に不思議ですね。
投稿: どてかぼちゃ | 2006年1月23日 (月) 07時04分