イイギリ(効率化の先端を行く樹)
自然林では殆ど見掛けることのない稀な樹なのに、里山の谷間や林道の脇、都会の周辺などの広い空間のある場所では結構繁殖しているが、その繁栄の秘密を探ると、効率化の先端を行くような戦略の見事さに圧倒される思いがする。
先ず、成長のスピードが早い。他の木を圧して空間を占める戦略は、移動できない植物にとって必要不可欠だが、加えて枝を四方に車軸状に張って広いスペースをカバーし、大きな葉を重層的に張り巡らし て太陽熱を吸収する執拗さを見せる一方で、秋を感じるやいち早く葉をとして、実だけ残す果断さは、過剰人員を抱えて苦しむ企業の経営者に見せてあげたい。
夏に蓄えた栄養分でつくる実は、経済負担が少ないように、糖分・油脂などを極力減らして量産化を目指すため、余程不味いらしく、秋が深まっても鳥が食べない。 しかし、赤い実の広告効果は抜群で、冬が終わる頃には全部食べられて繁殖には支障はない。
雌雄異株だが、周りに異性がいない場合、素早く性転換を果たして結実するという融通性のある戦略を秘めていると言うから恐ろしい。
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コメント
おはようございます。
こちらもみごとなイイギリですね。
<雌雄異株だが、周りに異性がいない場合、素早く性転換を果たして結実する
のですか。不思議な木ですね。
TBさせていただきますた。
よろしくい願いします。
投稿: ぴょんぴょん | 2005年12月26日 (月) 06時40分