リュウノウギク(里山で生き残れ)
リュウノウギクとノジギクは良く似ているが、前者は山野に、後者は海岸地帯に住み分けているので、混同することはない。純白の花は清楚で美しい。
葉を揉むと菊特有の強い香りがして、それが「竜脳」に似るというので、この名が付けられたと言う。
里山で親しいリュウノウギクやアワコガネギク・ヤクシソウなど野生の小菊が急速に姿を消しているが、それは、圃場整備や河川の護岸工事が進んで、川の小魚やウナギ・カワガニなどが姿を消したのと規を一にして、殆ど同時進行の形で進んでいるらしい。 日当たりの良い山野、特に道路沿いの崖などを生育場所にしていたこれらの山野草にとって林道は拡幅されて側道が削られたり、コンクリートで固められて、生活圏が失われたことが、致命傷になっているようだ。 里山の下刈りがなくなったことが、それに拍車を掛けているらしい。
ノジギクが兵庫県の県花として脚光を浴び公園などに植えられて繁栄を誇っているのに比して、リュウノウギクを省みる人が少ないのが残念だが、野生の花は野生の花らしく、「人手を借りずに生き残れ」と応援してやりたい。
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