メリケンカルカヤ(雑草にも雑草の芸の面白さ)
北アメリカ原産のイネ科の帰化植物で、渡来したのは昭和15~16年頃だと言われているが、目立つようになったのは戦後で、乾燥した荒地を好み、特に鉄道沿線の周辺では、一時ほど勢いのないセイタカアワダチソウに取って代わる感じで、「新鉄道草」の称号を与えてもよいのではないかと思っている。
わが国には、「刈萱」と優雅な名で総称されるオガルカヤ・メガルカヤと言う在来種があり、ちょうど月見の頃に花穂を出し、料亭などで小粋に活けられているのを見掛けて、感心したことがあったが、メリケンカルカヤのように、どこ にでも生えていると、うんざりさせられて、活け花どころか、鑑賞する気にもなれない。
ところが、この草の風情は霜が降りると一変する。
立ち枯れた侭で朱に色付き、夕日を浴びて荒地を染める風景が西部劇を思わせて、もの寂しく美しい。 実際、西部劇で砂の荒野にメリケンカルカヤが一面に生えているスケールの大きい風景をみたことがある。
雑草にも雑草の芸があるところが面白い。
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