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2005年10月 3日 (月)

ヨシノアザミ(所変われば、アザミもいろいろ)

yosinoazami 日本を大まかに二分するとき、関が原を境に西日本と東日本に分けるが、実際に方言や生活習慣なども大きく異なっており、両者が鮮やかな対比を示すのが面白い。植物も同様に伊吹山辺りを境にして棲み分けているらしい。

このヨシノアザミがその好事例で、分布は滋賀県・福井県(若狭地区)以西と四国の一部に限られ、岐阜県・福井県(若狭地区)以東は東北に分布の中心のあるナンブアザミの勢力圏で、両者が混じる事はないと言う。関東地方にyosinoazami は、トネアザミ(別名タイアザミ)が生えるが、この3種はナンブアザミを母種として本家・分家の関係にあると言われている。

日本に180種あると言われているアザミの中で、特に近畿地方に多いので、花の吉野山に因んだものと勘違いしていたが、岡山県の植物物学者で、この地方の植物の研究に大きな貢献のあった吉野善介氏の業績を顕彰するために、牧野富太郎博士が命名されたと言う曰く因縁があるらしい。

学名も Cirium nipponicum Makino var Yoshinoi と言う。

頭花は細い枝先に総状または穂状花序をなして、疎らに付き、やや小振りの紅紫色の頭花は華奢な感じがするが、京阪神の里山の秋を彩ってくれる貴重な花の一つである。 

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