コンフリー(万能の薬草転じていまは毒草)
日本の秘境と言われる岩手県のタイマグラの畑の脇でも、コンフリーが可憐な花を咲かせていたので撮影して帰った。
この草は、かっての一時期「不老長寿の妙薬」として脚光を浴び、生食以外にも青汁・ハーブ茶・サブリメントに加工されて健康増進剤として持て囃されていたが、平成16年に厚生省食品安全委員会によって、食べ続けると肝硬変・肝不全を惹き起こす恐れがあるとして、突如、販売の禁止ならびに生食の自粛を勧告されている問題の植物である。
昭和40年前後に、当時ソ連領だったコーカサス地方で長寿村が発見されて世界中の注目を浴びたが、その長寿の秘訣が
① ヨーグルトの摂取 ② コンフリーの生食
にあるとされ、コンフリーが一躍脚光を浴びて全世界に広がった。私も山野草料理を売り物にする民宿で勧められて「コンフリーの天婦羅」なるものを試食した記憶があるが、特に美味しかったという印象も持っていない。
毒の正体は、ピロリチジンと言う「フキノトウ」にも含まれるというアルカロイドで、厚生省の通達によって、青汁やサブリメント業界は自粛に踏み切ったらしいが、この種の情報を民間に徹底することは至難の業で、一時期のブームは沈静化したとはいえ、一部には信仰にも似た支持者がいて愛用・愛飲していると言うし、青刈りして家畜の生食用に活発に利用さてているらしい。「食べられる山野草」や「植物図鑑」類の記述の訂正が完了するには相当の期間を必要とするのではないだろうか。
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