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2005年7月15日 (金)

トキソウ(高層湿原に相聞歌が聞こえる)

tokisou 秘湯と言われた須川高原に一泊して栗駒山を目指した日、東北地方を不連続線が通過したため、山は雷雲の覆われ、中腹一帯が濃い霧に包まれていたので登頂を断念して、温泉の近くの高層湿原を散策した。

トキソウの群落に出会い、二つの花が相対して相聞歌を交わしているような情景に見えたので、微笑ましく思いシャッターを切った。

トキソウは南千島から九州まで広い範囲に分布し、昔は山の湿原で比較的容易に見ることができる花だったが、乱獲が祟ったか、特に関西では見掛けることが少なくなり、こうして北の山に遠征しては渇を癒す有様である。

東北の火山性の山々は、中腹から山頂に掛けて大小様々な湿原を抱えており、たいていはミズゴケなどが腐敗することなく堆積した強酸性で貧栄養の土壌なので、植生は限られているが可憐な花に出合うことができる山野草の宝庫である。

今日も短時間の霧の中の散歩で、トキソウ・サワラン(アサヒラン)・オノエラン・モウセンゴケ・ミツガシワ・ツマトリソウ・タテヤマリンドウなどに出合うことができたなは、望外の幸せと言うべきではないだろうか。

山は高きをもって「尊し」とせず、花あるをもって「尊し」と思いたい。

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