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2005年6月11日 (土)

アメリカオニアザミ(ヨーロッパ生まれのタフな奴)

amerikaoniazami アメリカでは「Bull thistle=牡牛薊」、イギリスでは「Spear thistle=槍薊」と呼び、ヨーロッパ原産だがアメリカを経由して渡来したため、日本では「アメリカ薊」と名付けられた。実にタフな植物で、草丈1mを超える全体が鋭い刺で完全に覆われ、四方八方へ突き出したその刺が栗の毬よりも硬くて鋭いので、アメリカの草原では、獰猛で知られるバッフアローや雄牛も怖れて近付かないないと言うから、その威力の程を知ることができよう。

北海道へは、1,957年(一説では1,960年)に渡来、帰化植物としては新参者ではあるが、その強烈な繁殖力にものを言わせて、瞬く間に全国に広がり、今では牧場に於ける最も除去し難い強害雑草の一つとされている。

手元に2004年7月7日付けの朝日新聞の切抜きを持っているが、それによれば世界文化遺産への登録が期待されている知床岬でもアメリカオニアザミが蔓延り、ボランティアがチャーター船に乗り込んで出掛け、駆除に努めているが、毎年1万株を除去しても、繁殖力がそれを上回って追いつかないと書かれている。悪食で知られるエゾシカも、この草だけは敬遠するらしい。

関西では、1、973年三重県で発見されたという記録があり、吹田市では1,980年前後に見つけて以来継続観察してきたが、当初JRの駅の構内で散見されていたものが、同心円的に広がり、今では駐車場の片隅や道路のコンクリートの割れ目など、いたるところに見られるようになった 。 お宅の庭にも紛れ込んでいませんか。

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