ニワフジ(英名は器量の良いインディゴ)
東海自然歩道を嵐山から清滝へ、高雄・栂ノ尾を経由して、北山杉が整然と林立すろ菩提道に入り光悦寺に差し掛かった時に、民家近くの古い石垣で見事なニワフジ(イワフジ)の群落に出合った。
樹高僅か50~60cmの小低木だが叢生して横に広がり、緑の葉の間にフジに似た10cm内外の花房を垂らし、紅紫色の花が美しい。本州(中部・近畿)・四国・九州の川岸や渓谷の岩場などに自生しているが、今日のように民家近くで見掛ける場合は、栽培されていたものが逃げ出したと思われる。時に白花も見掛ける。
イギリスに輸出されて、好事家の間で「器量の良いインディゴ」とか「シナのインディゴ」と呼ばれて、ロックガーデンや庭園の生垣などに仕立てられて愛好されていると言う。有名なプラント・ハンターのフォーチューンが上海で見付けてヨーロッパに送ったため、中国が原産とされているようだが、上海辺りには自生種が見当たらないので、今では日本から中国に渡ったものが再輸出された可能性が高いと推測されている。
ニワフジと言うのが正式名らしいが、園芸業者が盆栽仕立てにしたり、寺院や日本庭園の石組みに植え込む場合には、イワフジと呼ぶ事が多い。
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